169分ほぼアクション、それでも見入ってしまう『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

169分ほぼアクション、それでも見入ってしまう『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

ほぼアクションで169分、普通の映画としても長めの尺がアクションで成り立っちゃうの、なんかもう奇跡なんじゃないかと思うTomi(@nouns_is)です。伝説の殺し屋ジョン・ウィックのシリーズももう4作目。シリーズモノは大体作を重ねるごとに味が薄まっていく…そんなジンクスをも余裕でぶち壊すコッテリ映画。

あらすじ

数多の伝説で裏社会を震撼させてきた最強の殺し屋ジョン・ウィック。愛犬を殺されロシアンマフィアを壊滅、家を爆破されイタリアンマフィアも殲滅、掟を破りながらも粛清の包囲網から生還してきた男が、遂に裏社会を支配する組織との決着に挑む映画。

とにかくアクションアクション!!

この映画、何が凄いというと…というか、これが全てとも言えるのだけれど、アクションがとにかくすごい。逆にいうとほぼほぼアクションの映画で、ストーリーは至極シンプル。いいんだ、うちはアクションで全て片付けるんだという熱量さえも感じる。

169分という、映画全体の中でも比較的長尺な作品だけど、ほぼ全てアクション。ジョン・ウィックを演じるキアヌ・リーブスのセリフの数は、たったの「380単語」らしい。それくらいアクション。でもなぜか飽きない、なぜか引き込まれる。映画の中身のほぼ全てがアクションという作品では、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」以来の衝撃じゃないかな…

もう、拳で語れてしまうほどの磨き上げられたアクション

シリーズの売りでもあるガンフー(銃とカンフーを掛け合わせたアクション)は、さらに磨きがかかった。銃って、遠くの相手を倒す武器だと思っていないだろうか。そんなことはない。たとえハンドガンを持とうが、ライフルを持とうが、ショットガンを持とうが、とにかく殴りながら銃で撃つ。殴ると銃で撃つが別の動きではなく、殴りながら撃つで一つの動きという、独特な近接戦闘が存分に繰り広げられる。

近接戦闘となると、俳優さんたちのアクションの演技力が問われるところだが…キアヌ・リーブスのアクションは言わずもがな。その脇を固めるキャストに、渋い殺陣で切り込む真田 広之、俳優であり武闘家のスコット・アドキンス、今回映画デビューながら抜群のアクションで魅せてくれるリナ・サワヤマ、そしてアクション映画といえば欠かせないドニー・イェン。そんな彼らのアクションが卓越しすぎて、アクションで「語る」ことができるレベルなのだ。あぁ、拳で語り合うってできるんだなぁ、と感嘆したほどだ。

ちなみに余談だが、ドニー・イェンのアクションはキレも語りもダントツで凄い。今回は盲目の役だったのだけれど、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で演じた同じく盲目のキャラクターとはまた違った荒々しいアクションが見れるので、ぜひ注目してほしい。

魅惑の街大阪

今作のもう一つの魅力が、景色や言葉、さまざまなところで「日本」がすごく出てくるところ。裏社会で重要な意味を持つコンチネンタルホテルというものが世界中にあるのだが、今回は大阪コンチネンタルが一つの舞台となる。道頓堀の景色や、海外風にアレンジされた日本のデザインもそこかしこに出てくる。(ちなみに大阪コンチネンタルの外観は六本木にある国立新美術館がモデルになってるみたい)

その日本のデザインが、結構ツボだった。ハリウッド風ジャパンではあるのだが、目を奪われるような美しい景色に魅了されていた。日本なんだけど、日本じゃないんだけど、日本。そんな絶妙なバランスに、ぜひその場に行ってみたいと思わせられる魅力があった。真田広之とリナ・サワヤマ日本人コンビが時折日本語で話すのも、なんだか安心するというか、ほっこりした。

ストーリーはシンプルでも、流れは美しい

最初にお伝えしたが、この映画、全体的なストーリーは至極シンプル。複雑な伏線も無くそのまんま受け取れる内容で、そこに意識を割かなくていいからアクションを全力で見てくれ、という執念のようなものを感じるほど。

しかし細部の流れというか、結末に至るまでの動線はすごく美しい。

ジョン・ウィックシリーズはシリーズ全般を通して、ジョン・ウィックが追い込まれれば追い込まれるほど、そこからの巻き返しが面白くなる。ジョン・ウィックは最強の殺し屋なのだが、完全無欠と言うわけではなくて、意外と攻撃を受ける。そうしているうちにジョン・ウィックがボロボロになっていき、それでも間髪入れずに敵が襲ってくる。それでもなんとか自分の能力や周りの環境、時には敵をも駆使してギリギリ生還する。ジョン・ウィックが追い込まれれば追い込まれるほど、その先が楽しみになるのだ。

その流れが、今作は一層美しかったように思う。4作目ともなると同じ流れでは飽きてしまいそうなものだが、逆に成熟したその流れが妙に心地良いレベルに達していた。吉本新喜劇やドリフのレベルだと言っても過言ではないほど、もしかして…やっぱりそうなるよねー!が快感に変わる域なのだ。この研ぎ澄まされた流れが、シリーズを重ねても色褪せない理由の一つなのかもしれない。

地に足ついた最高のアクション映画

ジョン・ウィックシリーズはアクション映画だけれども、過度なCG的な演出はあまりない。アクション中はスローモーションもほとんど無い。人間たちが極限まで高めた身体能力を駆使して戦い合う、そういう泥臭いアクション映画だ。はたまた、人間の範囲だとしても現実離れした強さで、しかし結構ギリギリで勝ち進むジョン・ウィックにも魅せられていく。

息もつかせぬテンポで襲いくる敵を、息切れしながらもなんとか凌いていくジョン・ウィック。夢とリアルの狭間のような世界でドキドキしながら揺蕩う。そんな他には無い映画体験がクセになって、続編がもし出るならやっぱりこの体験欲しさに帰ってくるんだろうな。そんなことを思う映画だった。

それでは、また。

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